The Mods「FIGHT OR FLIGHT」

1981年のデビュー以来今日に至るまで、一度もメンバーチェンジせず現役でロックンロールし続ける世界にも類を見ないイカしたバンド、The Modsのデビューアルバム。後の尾崎豊やBLUE HEARTSにも通じる、ティーンエイジャーのためのロックアルバム。少なくとも日本におけるパンクロックのイメージはこのアルバムで作り上げられたと言っても過言ではない、青春の1枚。1981年リリース。

  • おすすめ度=90点(もしあなたが10代で、ロックが何かを知りたいなら聴いておいて損はない)
  • リピート度=90点(ハマった人は一生聴き続けるでしょう)
  • 名盤度=85点(これ以上のアルバムが後に出てくるので)
  • 好きな曲
    • WATCH YOUR STEP」:あれはまだ、明星のYoung Songで歌謡曲フォークソングしか弾いていなかった高校1年の頃、この曲をコピーして僕は‘ロックのコード進行’をひとつ覚えたのです。なまじ理論を知ってたりすると、なかなかこういう進行はできないんですよ。
    • 崩れ落ちる前に」:この詞はいいですよね。けして上手い詞ではないんだけど、そしてロックやパンクというほど過激ではないんだけど、ものすごくリアルに胸に響きます。‘正しく歩くことが愉快じゃないのは 奴らが仕掛けたいつもの決まったパズルのせいさ さぁ崩せ、崩れ落ちる前に、崩せ
    • くよくよしたって」:もうこれは詞といいメロディーといいフォークです。実際僕はフォークソング部でこの曲を歌いました。‘少しの荷物をかかえて 少しの小銭を握りしめて この街を出てゆく俺は とても BLUE な気分なんだ’。結局のところ、あまたのロックバンドやパンクバンドが‘ハッタリ’としてのロックのイメージを具現化しようと必死な中、もりやん(リーダーで作詞・作曲を担当する森山達也)はデビューから平気で弱さをさらけ出していたんですよ。そしてそこから這い上がろうとする姿こそがロックの生き様だと僕らに示し続けてるんですね。
  • 総評:ティーンエイジャーの頃の僕は、「ロッキン・オン・ジャパン」をはじめありとあらゆるロックの雑誌を読みあさりましたが、森山達也のインタビュー記事が一番好きで、どこかでいつもずっと僕の‘指針’となってきました。わかりやすい言葉で、いいことを言ってくれるんだ。今でもModsはけして曲作りの上手いバンドではないですが、聴くたびに‘あの頃の想いを忘れていないか’とドキッとさせられます。そしてまた、僕はMODSを聴いてやっと‘ロックバンド’の具体的なイメージがわきました。なるほど、こんな風にアレンジをすればいいのかと。だってチャートを賑わすヒット曲のほとんどはいろんな楽器がオーバーダビングされていて、これをどうやって4人編成で再現するのかさっぱりわからなかった高校1年の頃。Modsに出会わなければ、僕はずっとフォークやポップスをやっていたかも。

FIGHT OR FLIGHT
FIGHT OR FLIGHT
posted with amazlet on 05.12.14
THE MODS
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